「居住」「住居」の違いと使い分けの例文


「居住」「住居」は、どちらも「人が住むことに関わる」意味を持っているけど、以下のような違いがあるよ。
- 居住:「住むこと」や「住んでいる状態」のこと。
- 特に、法律や役所の手続きで使われることが多く、少しかたい言葉です。
- 住居:「住む場所」や「家」のこと。
- 建物や住むための場所を表すときに使います。
このページでは「居住」「住居」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

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「居住」「住居」の意味と例文
まず、「居住」「住居」の辞書での意味を確認しておきましょう。
【居住】
その土地(家)に住むこと。また、その土地(家)。
【住居】
人の住んでいる場所(家)。住まい。
出典:『新明解国語辞典』
辞書の説明で意味の違いはわかりますが、使い方にも慣れておく必要があります。詳しい意味や例文を見ながら、それぞれの違いを確認していきましょう。
「居」「住」の漢字の意味
「居住」「住居」はどちらも「居」「住」という漢字の組み合わせのため、まずそれぞれの漢字の意味を確認しておきましょう。
「居」は、「尻(しり)」と「古(=固)」が合わさった漢字です。「尻」は体の後ろの部分を表し、「古」は「固定させる・すえる」という意味を持っています。つまり、「台の上に尻を乗せて、腰を落ち着ける」というのが元の意味です。昔は「尸(しり)」と「兀(だい)」を組み合わせた形でも書かれました。また、「踞(尻をおろして構える)」という言葉の元にもなっています。
「住」は、「人」と「主」の組み合わせでできています。「主」は、火をともした灯火をしっかりと燭台に置いた様子を表しており、「定まって動かない」という意味を持ちます。
そこに「人」が加わることで、「人が一か所にとどまってじっとしている」、つまり「住む」「とどまる」という意味になりました。「住まい」「住所」といった言葉も、もともとは「動かずにいる場所」を表すものだったのですね。
「居住」「住居」意味の違いと例文
では、「居」と「住」の組み合わせから出来ている「居住」「住居」の意味の違いを見てみましょう。
「居住」は「居=とどまる・いる」+「住=住むこと」という組み合わせなので、「ある場所に住むこと」「暮らしている状態」という意味になります。実際の例文を見てみましょう。
- 彼は日本に長年居住しているが、国籍は母国のままだ。
- 新しいビザの申請には、日本での居住実績が求められる。
「居住」は、人がどこかに住んでいるという状態や事実を指します。法律用語としても使われることが多く、滞在や定住の事実に焦点が置かれています。
では、「住居」はどうでしょうか。「住=住む」+「居=とどまる場所」という組み合わせから、「人が住むための建物や場所」を意味します。例文を見てみましょう。
- 新しい住居を探しているが、家賃の高騰が問題だ。
- 被災者のための仮設住居がすぐに建設された。
「住居」は、住むための物理的な場所や建物を指します。家やマンション、アパートなど具体的な住む場所を表すときに使われます。
もう少し違いを理解するために、以下の例文の意味を考えてみましょう。
「彼は新しい住居に引っ越したが、正式な居住手続きはまだ済んでいない。」
この文章では、「住居」は彼が住むための建物や場所を指し、「居住」はそこに住んでいるという事実や手続きに関することを意味しています。

「居住」は住むという状態や法的な意味を持つ言葉であり、「住居」は物理的な住む場所を指す言葉だと理解すると、使い分けがしやすくなるよ。
「居住地」「住居地」の違い
では、先ほどの「居住」と「住居」の違いを踏まえて、「居住地」と「住居地」の違いについても見ていきましょう。
「居住地」は、「居住(=住んでいる状態)」+「地(=土地・場所)」という組み合わせなので、「人が実際に住んでいる場所」を意味します。例文を見てみましょう。
- 彼の居住地は東京都内だが、仕事の関係で海外を行き来している。
- 税金の申告は、1月1日時点の居住地を基準に行われる。
「居住地」は、その人が住んでいる場所そのものを指し、法律や行政の文脈で使われることが多いのが特徴です。特に、住民票や税務手続き、ビザ申請などで使われることが多く、「どこに住んでいるか」という事実を重視する言葉です。
では、「住居地」はどうでしょうか。「住居(=住むための建物)」+「地(=土地・場所)」という組み合わせなので、「人が住むための建物がある場所」を意味します。例文を見てみましょう。
- 住居地の選択は、生活環境や交通の利便性によって決まる。
- 彼の住居地は自然に囲まれた静かな地域だ。
「住居地」は、人が住むための建物が存在する地域や場所を指します。こちらは、生活環境や住宅の立地に関する話題で使われることが多く、法律的な文脈よりも、一般的な住まいの場所としての意味合いが強くなります。
「居住者」「住居者」の違い
最後に、「居住者」と「住居者」の違いについても見ていきましょう。
「居住者」は、「居住(=住んでいる状態)」+「者(=人)」の組み合わせなので、「ある場所に実際に住んでいる人」という意味になります。例文を見てみましょう。
- 日本の税法では、1年以上日本に住んでいる人は居住者とみなされる。
- マンションの居住者向けに、新しい防災訓練が実施された。
「居住者」は、その場所に実際に住んでいることが前提であり、法律や行政の文脈で使われることが多いのが特徴です。特に、税金・ビザ・住民登録などの制度に関する場合に使われることが多く、「住んでいる事実」を強調する言葉です。
「住居者」は、「住居(=住むための建物)」+「者(=人)」の組み合わせなので、「特定の住居に住んでいる人」という意味になります。例文を見てみましょう。
- このアパートの住居者は全員、管理組合に加入する必要がある。
- 住居者専用の駐車スペースが確保されている。
「住居者」は、特定の住まいに住んでいる人を指す場合に使われることが多いです。「居住者」と比べて、マンション・アパートなど、より建物や住宅の管理に関連した文脈で使われることが一般的です。
「居住」「住居」の違い、まとめ

「居住」「住居」の違いと正しい使い分け方、今回の説明で分かったかな?最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを見て、頭の中を整理してみてね。
- 居住:「住むこと」や「住んでいる状態」のこと。
- 特に、法律や役所の手続きで使われることが多く、少しかたい言葉です。
- 住居:「住む場所」や「家」のこと。
- 建物や住むための場所を表すときに使います。
「居住」「住居」の使い分けクイズ

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