
「お疲れ様です」と「お疲れさまです」は、相手の労をねぎらい感謝を伝える敬語表現で、漢字かひらがなかによって意味合い自体は変わらないよ。
- 「お疲れ様です/お疲れさまです」は、どちらも労いや感謝を伝える言葉(意味は同じ、印象が少し違う)
- 表記は「様」=丁寧、「さま」=柔らかい印象。職場や相手に合わせて使い分ける
- 「ご苦労様です」は目上の人にはNG。「お疲れ様です」を使うのが無難
- 社外には基本使わず、「お世話になっております」や「ありがとうございました」などに置き換える
- シーンごとに挨拶を使い分けると好印象(例:朝は「おはようございます」、退勤時は「お先に失礼します」)
このページではお疲れ様に関連した疑問について、わかりやすく解説しています。
「お疲れ様」と「お疲れさま」の違い
「お疲れ様」と「お疲れさま」の意味の違い
「お疲れ様です」も「お疲れさまです」も、どちらも相手の働きや努力をねぎらい、感謝を伝える敬語表現です。職場でのあいさつとして日常的に使われるもので、表記の違いによる意味の差は基本的にありません。
ただし、印象には微妙な違いがあります。漢字で「様」と書くと、ややフォーマルで改まった印象になります。一方で、ひらがなの「さま」は柔らかく、親しみやすい雰囲気を与えるのが特徴です。
「様」と「さま」の表記の使い分け
どちらの表記も間違いではなく、相手やシーンに応じた使い分けがポイントになります。
たとえば、ビジネスメールや正式な文書では「お疲れ様」と漢字表記が一般的です。特に目上の人や初対面の相手に対しては、丁寧な印象を与えるためにも漢字の「様」が選ばれやすくなります。
一方、Slackや社内チャットなど、カジュアルな場面や親しい同僚とのやりとりでは「お疲れさま」とひらがなで表記されることも増えています。職場の文化や相手との関係性に応じて、自然に使い分けるのが理想的です。
「疲れていないのにお疲れ様」はおかしいのか
「お疲れ様」と言われたとき、「まだそんなに疲れていないのに」と思った経験がある人もいるかもしれません。しかし、「お疲れ様」は相手の体力的な疲労を前提とした言葉ではありません。
この表現は、あくまで「今日もありがとう」「がんばってくれて感謝しています」といったねぎらいや敬意、感謝の気持ちを伝える社交辞令として使われています。
そのため、相手が疲れていなさそうでも、業務の途中でも、「お疲れ様です」は自然で適切なあいさつです。「私は疲れていませんけど」と返す必要はありません。むしろ、そうしたビジネス慣習の一部として、日々のやりとりを円滑にする潤滑油のような言葉だと理解しておくと良いでしょう。

相手やシーンに応じて使い分ける意識が大事だよ!
「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」の使い分け
「お疲れ様です」の利用場面
「お疲れ様です」は、業務の途中で交わすあいさつとして使われます。たとえば、日中にオフィスですれ違ったときや、ミーティングの開始前など、まだ仕事が続いている場面が該当します。
「こんにちは」に近い意味合いで、軽いねぎらいとあいさつを兼ねた便利な表現です。基本的には仕事中の相手に対する声かけとして覚えておくと良いでしょう。
「お疲れ様でした」の利用場面
「お疲れ様でした」は、仕事が一区切りついたときに使う言葉です。代表的なのは、退勤時や会議・作業の終了後。相手が「これから仕事を終えて帰る」タイミングで使うのが自然です。
「〜でした」という過去形が使われていることからも分かるように、「今までの頑張りに感謝します」という締めのねぎらいの意味が込められています。
使い分けに迷ったときの判断ポイント
「お疲れ様です」と「お疲れ様でした」、どちらを使うべきか迷ったときは、相手がまだ働いているかどうかを目安にすると判断しやすくなります。
- 相手が業務中またはこれから働く → 「お疲れ様です」
- 相手が業務を終えた、またはその場を離れる → 「お疲れ様でした」
たとえば、上司が先に退社する際には「本日もお疲れ様でした」と言うのが自然です。一方で、相手がまだ働いているのに「お疲れ様でした」と言ってしまうと、「もう帰れってこと?」と誤解を招くこともあります。
基本的には、新人のうちは「お疲れ様です」で統一しておけば安心です。慣れてきたら、場面に応じて自然に使い分けられるようになると良いでしょう。
「お疲れ様」と「ご苦労様」の使い分け
「お疲れ様」と「ご苦労様」の意味の違い
「お疲れ様です」と「ご苦労様です」は、どちらも相手の働きをねぎらう言葉ですが、使う相手に大きな違いがあります。
「お疲れ様です」は、上下関係を問わず広く使われている表現です。社内の上司・部下・同僚など、誰に対しても使えるあいさつとして、多くの職場で定着しています。
一方、「ご苦労様です」は、本来、目上の人が目下に向けて使う表現です。たとえば、上司が部下の仕事をねぎらうときなどに使われます。そのため、部下から上司に「ご苦労様です」と言うと、場合によっては失礼にあたることもあります。
目上に使っていいのは「お疲れ様」
結論から言うと、上司には「お疲れ様です」を使うのが正解です。
「お疲れ様」は「目上から目下に使うもの」と考える人も一部にはいますが、現代のビジネスシーンでは目上の人にも自然に使える表現として広く受け入れられています。新人が上司に「お疲れ様です」とあいさつしても、基本的にはマナー違反にはなりません。
一方、「ご苦労様です」は目上に使わないのがマナーです。部下や後輩など、明確に立場が下の相手に使う言葉とされています。社内でも使用する場面は限られるため、ビジネスでは基本的に「お疲れ様です」一択で覚えておくと安心です。
「お疲れ様」は使わないほうが良いケース
「お疲れ様です」は基本的には失礼のない表現ですが、相手によっては違和感を持たれることもあります。
特に年配の上司や、伝統的な職場環境では、「お疲れ様は目上が使うもの」と考える人もいます。そういった場合は無理に「お疲れ様」を使わず、代わりに「いつもありがとうございます」「本日はありがとうございました」などの丁寧な表現に言い換えるのが無難です。
大切なのは、言葉そのものよりも、相手への敬意が伝わるかどうか。職場の文化や、相手の感じ方に合わせて、柔軟に対応することが信頼関係づくりにもつながります。
社内・社外での「お疲れ様」のマナー
社内での「お疲れ様」の基本マナー
社内では、「お疲れ様です」は日常的なあいさつとして広く使われています。
たとえば、メールの冒頭で「お疲れ様です。○○部の△△です。」と書き始めたり、Slackなどのチャットで最初の一言として添えたりするのが一般的です。オフィスでのすれ違いや、他部署に訪問したときなども、軽い声かけとして「お疲れ様です」が自然に使われます。
つまり、「お疲れ様です」は社内の基本あいさつのひとつと考えて問題ありません。同僚や上司、後輩に対しても上下関係なく使える便利な表現です。
社外では「お疲れ様」を使わないべき理由
一方で、社外の人に対して「お疲れ様です」を使うのはマナー違反になることがあります。
ビジネスメールの冒頭では、一般的に「いつもお世話になっております」や「お世話になっております」といった表現が定番です。「お疲れ様です」は、あくまで“社内向け”の言葉とされており、取引先やお客様に使うと「内輪の感覚が抜けていない」と見なされることも。
特に、初対面の相手や年上・目上の方に対して使うと、無礼と受け取られる可能性があるため注意が必要です。
社外向けに使える代わりの表現
社外の相手にあいさつする場合は、以下のようなよりフォーマルな表現を選びましょう。
- メール冒頭なら:「いつもお世話になっております」「お世話になっております」
- 対面でのあいさつなら:時間帯に応じて「おはようございます」「こんにちは」など
- 別れ際や締めのあいさつなら:「本日はありがとうございました」「引き続きよろしくお願いいたします」
このように言い換えることで、相手への敬意を丁寧に伝えることができ、ビジネスマナーのある印象を与えられます。
なお、プロジェクトなどで一緒に動いている他社のメンバーなど、距離感が近い関係性であれば、打ち合わせ後に「お疲れ様でした」と言い合う場面もあります。ただし、判断が難しい場合は、無理に使わず別の表現で対応するのが無難です。
迷ったときは「使わない」という選択肢もマナーのひとつとして覚えておくと安心です。
チャットでの「お疲れ様」の使い方
チャットで「お疲れ様」を何度も使うべきではない
同じ相手とやり取りが続くチャットでは、「お疲れ様です」を何度も繰り返す必要はありません。
朝一番のやりとりや、久しぶりに話しかけるときは丁寧にあいさつするのが望ましいですが、その後のメッセージではあいさつを省略してもマナー違反にはなりません。
特に短時間でやりとりが続く場合は、最初に1回だけあいさつして、あとは要件に集中する方がスムーズです。やりとりのテンポや相手の業務効率を考えると、これはむしろ好印象につながります。
挨拶と用件を分けずに送るのがマナー
チャットで気をつけたいのは、「あいさつだけのメッセージを送らない」ことです。
たとえば、「〇〇さん、お疲れ様です」とだけ送って、数秒後に用件を別メッセージで送るのはNG。相手に2回通知が届くうえに、そのたびに手を止めさせることになってしまいます。
そのため、あいさつと用件はひとつのメッセージにまとめて送るのが基本マナーです。
また、Slackなどでは👋や👍などのスタンプやリアクション機能を使って、テキストを打たなくても軽く労いや同意を示せる文化も根づいています。形式ばらずに、チャットならではの気軽さを活かすのもひとつの方法です。自社のルールを確認しつつ、相手の負担を減らすよう心がけましょう。
「お疲れ様」の言い換え・代わりになる言葉
感謝や労いを伝える言い換え表現
「お疲れ様です」は便利で汎用性の高い表現ですが、毎回同じ言葉を使っていると、どうしても単調に感じてしまうこともあります。
特に相手が手間をかけてくれた場面や、明確にサポートしてくれた場合などは、「ありがとうございました」や「助かりました」など、より具体的な感謝の言葉に言い換える方が丁寧な印象を与えます。
日常のちょっとしたやりとりでも、状況に応じて「感謝」と「労い」を使い分ける意識があると、言葉に重みが生まれます。
退勤・挨拶・チャットで使えるシーン別の代替語
あいさつの場面によっては、「お疲れ様」よりも適した表現があります。以下のように使い分けると、より自然な印象になります。
- 朝の出社時/初対面のあいさつ:「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」など時間帯に合わせた基本のあいさつ
- 自分が先に退勤するとき:「お先に失礼します」+「お疲れ様でした」
- 相手も退勤・業務終了のタイミング:「今日も一日お疲れ様でした!」
- 電話を切る場面:「失礼いたします。お疲れ様でした」
- チャット上でのあいさつ:文頭に「お疲れ様です」を付けすぎず、場合によってはスタンプやリアクションで代用
こうした細かな言い換えができるようになると、あいさつの質が上がり、相手との関係性もより良好になります。
より丁寧に見える敬語のバリエーション
シーンによっては、「お疲れ様です」よりもさらに丁寧な表現が求められることもあります。たとえば、式典後のあいさつや社外のフォーマルな場面では、
- 「お疲れさまでございました」
- 「お疲れさまでございます」
といった言い回しが使われることもあります。やや仰々しい印象にはなりますが、特別なシーンでは適度な敬意を込めた表現として有効です。
ただし、日常的なビジネスシーンでは「お疲れ様です」で十分丁寧です。無理に言い換えようとせず、状況や相手に応じた自然な表現を選ぶことが何より大切です。
「お疲れ様です」と「お疲れさまです」の違いと使い方、まとめ

「お疲れ様」と「お疲れさま」の違いと正しい使い分け方、今回の説明で分かったかな?最後にもう一度、使い分けのポイントを見て、頭の中を整理してみてね。
- 「お疲れ様です/お疲れさまです」は、どちらも労いや感謝を伝える言葉(意味は同じ、印象が少し違う)
- 表記は「様」=丁寧、「さま」=柔らかい印象。職場や相手に合わせて使い分ける
- 「ご苦労様です」は目上の人にはNG。「お疲れ様です」を使うのが無難
- 社外には基本使わず、「お世話になっております」や「ありがとうございました」などに置き換える
- シーンごとに挨拶を使い分けると好印象(例:朝は「おはようございます」、退勤時は「お先に失礼します」)