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「土砂降り」「大雨」「豪雨」の違いと使い分けの例文 

とりやまさん

「土砂降り」「大雨」「豪雨」は、どれも「雨が多く降る」意味を持っているけど、以下のような違いがあるよ。

言葉の違い
  • 「土砂降り」体で感じる「すごい雨」
    • 「ドサッ」という音や、土砂が跳ねるような勢いを表す、感覚的な言葉。
  • 「大雨」:災害の「おそれ」がある雨
    • 気象庁が「災害が発生するおそれがある」と定義する、公式な言葉。
  • 「豪雨」:すでに「災害が起こった」雨
    • 大きな被害が発生したときに使われる、深刻な言葉。過去の災害の名称として使われることが多い。

このページでは「土砂降り」「大雨」「豪雨」の違いについて、詳しい意味と具体的な使い方とともにわかりやすく解説しています。

目次

「土砂降り」「大雨」「豪雨」の意味と例文

まず、「土砂降り」「大雨」「豪雨」の辞書での意味を確認しておきましょう。

【土砂降り】
激しく雨が降ること。また、その雨。
【大雨】
大量に降る雨。
【豪雨】
激しい勢いで大量に降る雨。雨量がきわだって多い雨にいう。
出典:『デジタル大辞泉』

辞書の説明で意味の違いはわかりますが、使い方にも慣れておく必要があります。詳しい意味や例文を見ながら、それぞれの違いを確認していきましょう。

「土砂降り」の意味の違いと例文

「土砂降り」とは、雨が非常に激しく降る様子をあらわす言葉です。まるで空からバケツをひっくり返したように、大粒の雨が勢いよく地面をたたきつける――そんな強さを感じさせる表現です。

この言葉の語源は、「ドサッ」という音のイメージに由来しています。音をもとにした擬態語から生まれた言葉で、あとから「土砂」という漢字があてられました。実際に土や砂が降ってくるわけではなく、それほどまでに雨の勢いがすごい、という比喩なんですね。例文を見てみましょう。

  • 「うわ〜、いきなり土砂降りになったね!傘があって助かった〜」
  • 「急な土砂降りで、服も靴もびしょ濡れになっちゃった…!」

「土砂降り」は、単なる雨の量だけではなく、その場の迫力や空気感まで伝えることができる、感覚に寄り添った言葉です。急な雨に驚いたとき、体感した激しさを誰かに伝えたいときなどに、自然と口をついて出る言葉かもしれませんね。

「大雨」の意味の違いと例文

「大雨(おおあめ)」とは、文字どおり「たくさん降る雨」を表す言葉です。日常会話では、「今日は大雨だから気をつけてね」など、単に雨の量が多いことを伝えるのに使われることが多いですね。例文を見ていましょう。

  • 「大雨の予報出てたし、明日はレインブーツの出番かもね」
  • 「大雨で道路が川みたいになってて、さすがに通れなかったよ」

とはいえ、気象庁が使う「大雨」には、もう少し深い意味があります。たとえば、「災害が発生するおそれがある雨」というように、私たちの生活に影響を与える可能性のある雨を示す、大切な警告の言葉でもあリます。

「大雨」はただの気象現象ではなく、私たちに「気をつけて」「備えて」と知らせてくれる、重要なサインでもあるのです。

「豪雨」の意味の違いと例文

「豪雨(ごうう)」とは、非常に勢いの強い、大量の雨のことを指す言葉です。読み方からもわかるように、「ただの大雨」ではなく、「並外れて激しい雨」というニュアンスが含まれています。例文を見てみましょう。

  • 「昨日の夜は豪雨だったし、雷もかなり激しかったね。」
  • 「ピクニック中に豪雨が降ってきて、あっという間に全身びしょ濡れになっちゃったよ。」

ふだんの会話では「すごい雨だったね、まるで豪雨みたいだったよ」といった形で使われることがありますが、気象庁の正式な使い方は少し違います。実は、「豪雨」という言葉は、天気予報などではほとんど使われません。

理由は、「豪雨」がすでに深刻な被害をもたらした過去の雨の出来事を表すときに使われる言葉だからです。たとえば「平成○○年○○豪雨」などのように、名前として記録に残ることが多く、「災害のあった雨」という重い意味を持っています。

「土砂降り」「大雨」「豪雨」における防災情報との関連性

ここでは、気象庁が示す雨の強さをもとに、「どのくらいの雨か」「どんなふうに感じるか」「どんな危険があるか」を表にまとめてみました。

雨の強さと人の感じるイメージ・危険度

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1時間雨量(mm)気象庁の予報用語人の受けるイメージ想定される危険性(例)関連する言葉
10mm以上20mm未満やや強い雨ザーザーと降る長く続く場合は注意が必要 
20mm以上30mm未満強い雨どしゃ降り水路や小川があふれる。小規模ながけ崩れ。土砂降り
30mm以上50mm未満激しい雨バケツをひっくり返したような降り方山崩れやがけ崩れが起きやすい。都市部の下水管から雨水があふれる。大雨注意報レベル
50mm以上80mm未満非常に激しい雨滝のように降る都市部で地下室や地下街に雨水が流れ込む。マンホールから水が噴出する。土石流が起きやすい。大雨警報レベル
80mm以上猛烈な雨息苦しくなるような圧迫感がある大規模災害のおそれが高まる。記録的短時間大雨情報レベル
参考:気象庁「雨の強さと降り方」

大雨注意報

  • 1時間に30mm以上、または3時間に60mm以上の雨が降ると予想されるときに出されます
  • 「このまま雨が続くと、被害が出るかもしれませんよ」という段階の注意です。

大雨警報

  • 1時間に50mm以上の雨、または「土壌雨量指数(地面にしみ込んだ水の量)」が基準を超えると予想されるときに発表されます。
  • これは「もう危ないかもしれません。すぐに行動を」と呼びかけるレベルの情報です。

洪水注意報・警報

川の水が増え、あふれる危険があるときに発表されます。大雨と連動して出されることが多く、特に川の近くに住んでいる人は注意が必要です。

記録的短時間大雨情報

  • 1時間に100mmを超えるような「数十年に一度」の非常に激しい雨が観測されたときに出される、緊急性の高い情報です。
  • 命に関わるレベルの大雨で、「今すぐ安全な場所へ避難を」と強く警告しています。
とりやまさん

これらの基準は全国で一律ではなく、地域の地形や土の性質、過去の災害なども考慮して決められているよ。自分の住んでいる地域を確認してね。

気象庁の主な警報・注意報の発表基準(雨関連)

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種類発表される状況主な発表基準(例)
大雨注意報大雨によって被害が予想される場合1時間雨量 30mm以上 または 3時間雨量 60mm以上
大雨警報大雨によって重大な災害が起こるおそれがあると予想される場合1時間雨量 50mm以上 または 土壌雨量指数が基準以上
洪水注意報洪水によって被害が予想される場合1時間雨量 30mm以上 または 3時間雨量 60mm以上
洪水警報洪水によって重大な災害が起こるおそれがあると予想される場合1時間雨量 50mm以上 など
記録的短時間大雨情報数十年に一度の非常に激しい雨(1時間雨量100mm以上)が観測された場合1時間雨量 100mm以上
参考:気象庁「雨に関する用語」

集中豪雨とは

「集中豪雨」は、同じ場所に強い雨が何時間も降り続き、100mmを超えるような大量の雨が降る現象です。これは、積乱雲(いわゆる“入道雲”)が次々と同じ場所で発生し、雨を降らせることで起こります。長時間にわたるため、土砂崩れや川の氾濫、家屋の浸水など、大きな災害につながることもあります。

ただし、「集中豪雨」という言葉には明確な雨量の基準はなく、あくまで気象現象の特徴をとらえた呼び名です。

ゲリラ豪雨とは

一方、「ゲリラ豪雨」は、集中豪雨の一種ですが、もっと短時間・狭い範囲で発生するのが特徴です。突然、局地的にバケツをひっくり返したような雨が降り、数十分の間に数十mmの雨量になることもあります。

この「ゲリラ豪雨」という言葉は、正式な気象用語ではありません。ニュースやSNSなどを通じて広まった俗称です。でも、その突発性や予測困難さをわかりやすく伝える言葉として、いまでは広く使われています。

「土砂降り」「大雨」「豪雨」の違い、まとめ

とりやまさん

「土砂降り」「大雨」「豪雨」の違いと正しい使い分け方、今回の説明で分かったかな?最後にもう一度、正しい使い分けのポイントを見て、頭の中を整理してみてね。

言葉の違い
  • 「土砂降り」体で感じる「すごい雨」
    • 「ドサッ」という音や、土砂が跳ねるような勢いを表す、感覚的な言葉。
  • 「大雨」:災害の「おそれ」がある雨
    • 気象庁が「災害が発生するおそれがある」と定義する、公式な言葉。
  • 「豪雨」:すでに「災害が起こった」雨
    • 大きな被害が発生したときに使われる、深刻な言葉。過去の災害の名称として使われることが多い。
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